日韓台大学体育研究フォーラムを開催しました


 2019年(平成31年)2月14日(木)、筑波大学GSI棟301にて「日韓台大学体育研究フォーラム」を開催しました。体育授業が国内の大学の大多数で開講されている状況は、国際的には希少だといえます。その中で、東アジアの隣国である日本・韓国・台湾では、今も多くの大学で体育授業が開講されています。そこで今回、日韓台の大学体育の実態に関する相互の情報共有の場として、「日韓台大学体育研究フォーラム」を開催する運びとなりました。
 午前は、梶田和宏氏(筑波大学大学院、大学体育スポーツ高度化共同専攻3年)に「日韓台における大学体育の実態調査報告」と題して、日韓台における大学体育の教育システム(開講状況・カリキュラム・教員プロフィール)の現状を発表いただきました。午後は、崔義昌先生(ソウル大学校教授、韓国スポーツ教育学会会長/通訳:朴京眞先生、筑波大学非常勤講師)に「韓国の大学における教養体育の現状と希望」と題して、韓国における教養体育の問題点と今後の展望を発表していただきました。続いて、林靜萍先生(台湾師範大学教授、台湾体育学会会長/通訳:林伯修先生、台湾師範大学副教授)に「台湾の大学体育の発展と現状」と題して、台湾における大学体育の歴史と今後の課題を発表していただきました。

 今回のフォーラムを通して、日韓台における大学体育の歴史的な変遷過程において、時系列的にも事象的にも、大学体育を取り巻く環境は類似した実態にあり、現在は同様の問題や課題が生起していることが明らかとなりました。本フォーラムは、日韓台の大学体育の改善・発展に寄与する有意義な機会となり、来年は台湾の台北において日韓台大学体育研究フォーラムを開催することを確認し合いました。日韓台における大学体育の教育システムについて、今後も継続的に調査を進めていくとともに、韓国・台湾の取り組みを参考にしながら、わが国の大学体育の高度化に向けた教育・研究の推進がさらに期待されます。なお、日韓台における大学体育の教育システムに関する一部調査結果は、筑波大学体育系紀要42号の報告に掲載済みです。

 本フォーラムを開催するにあたり、日韓台の多くの大学体育関係者にご支援ご協力を賜りましたこと、この場をお借りして心より感謝申し上げます。