専攻長挨拶

高木先生 2020年、東京で2度目となる夏季オリンピック・パラリンピック大会が開催されます。同競技大会が初めて東京で開催された当時(1964年)、日本は高度経済成長期にあって、まさに日の出の勢いで社会全体が拡大・発展する過程にありました。そして多くの国民は、世界最大のスポーツイベントを自国で初めて開催できることを誇りに思い、大いなる高揚感に包まれていたのです。
 半世紀を経て、2度目のオリンピック・パラリンピックが再び東京で開催されます。今回は先回ほどの高揚感はないかもしれませんが、以前にも増してスポーツは国民にとって身近な存在となり、ただ「観る」だけのものから、自ら「する」ものへと変化し、さらに「支える」ものへと成熟してきました。現代におけるスポーツの存在は、半世紀前には想像できなかったくらい、進化(+深化)を遂げてきたわけです。
 しかしスポーツが今後も発展し続けるためには、スポーツを実施する環境に加えて、スポーツを指導する側の高度化が欠かせません。すなわち、高い専門的知識と倫理観を備えつつ、効果的な教授方法を身につけた高度職業人としての体育・スポーツ指導者の育成が待たれています。特に、大学や高等専門学校などの高等教育機関における正課の体育授業や課外スポーツ活動(=大学体育スポーツ)を指導する人材の育成に関しては、初等・中等教育課程に比べると、制度的にも実質的にも十分に手当がされてきませんでした。
 そこで、筑波大学と鹿屋体育大学は、両大学の強みを活かし、「大学体育スポーツ」に携わる高度な人材の育成を目指した博士後期課程の専攻を「大学体育スポーツ高度化共同専攻」として2016年度より開設することになりました。このような専攻は広く世界を見渡してもほとんど例がなく、日本政府が掲げる新成長戦略(健康長寿社会の実現)やスポーツ立国戦略及びスポーツ基本法の理念を実現するための人材育成期間として大いに期待されます。さらに本専攻では、汎用的な実践能力を重視しており、修了後は大学体育スポーツ現場を先導する人材として活躍できるよう多彩な教育プログラムが用意されています。
 私たちは、スポーツの持つ力によって、活力ある社会を実現し、豊かなライフスタイルが構築されることを願っており、それを協働して実現することを志す人材を応援します。

                                                       専攻長  高木英樹 

 

 

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